「ジェットポンプ」を支える影の立役者?!
もし“インテークゲート”がなかったら?!
“インテークゲート”はポンプへ水を送り込む水流の入口となるパーツで、水面への食い付きを良くする効果があります。
PWCは水をジェットポンプに吸い込み、圧縮し、吐きだすことで推進力(前進する力)を生みだしています。
これはどの機種にも共通して採用されている方式で、いくら高出力エンジンを全開で回しても、そのエネルギーを推進力に変えるポンプがなければ、PWCを動かすことはできません。
それでは、「PWCが進む仕組み」について、お話したいと思います。
ポンプ周辺の仕組みについてこちらをご覧ください。
エンジンを始動し、そのエネルギーによって「インペラ」と呼ばれるプロペラを回し、“インテークゲート”から水を吸い込む。
そしてインペラとジェットポンプ内のベーンで圧縮および整流した水を、ポンプノズルから噴射することで推進力を得ています。
ジェット推進は吸い込んだ量の水を吐きだすため、吸い込み口の“インテークゲート”にビニールなどが張りついて邪魔をすると、通常よりも吸い込む水の量が減少し、ゲートとジェットポンプの間にキャビテーション
(水のなかに空気が混じること)が発生。
自ずと噴射量が減少し、推進力の減衰につながってしまいます。
また、ゲートからペットボトルのキャップやロープなどを吸い込んだ場合も、同様にキャビテーションの原因となります。
硬い石や木片などを吸い込んだ場合にも、インペラが変形してキャビテーションを起こすことがあり、さらに運悪く、その異物がインペラを抜けて
ジェットポンプまで到達すると、ベーンを傷つけてキャビテーションを発生させるのです。
特に現在のPWCは高馬力なため、ひと掻きの水を吸い込む量が非常に多くなっています。
水深の浅い場所では、水と一緒に砂や石などを吸い込む危険性があります。
最低でも水底から股下ほどの深さのある水面で、発進および通行を心がけましょう。
推進力の命とも言える「ジェットポンプ」を支える影の立役者“インテークゲート”
もし“インテークゲート”がなかったら、水流を上手くつくることができず、水面への食い付きが悪くなり、キャビテーションに繋がるほか、バランス感覚にも影響を及ぼし、走行に支障をきたします。
ただ水を送り込めばいいということではないのです。
インテークゲートとジェットポンプとのマッチングにより、圧倒的な加速性能を引き出しています。
“インテークゲート”をアップグレードさせることで、ポンプへの吸水量を増加させたり、キャビテーションを抑制し、荒れた水面でのハンドリングの向上が期待できます。
一例としてUNLIMITEDの“インテークゲート”をあげていますが、新しいウィングデザインにより、劇的にフックアップを増加させます。
荒れた水域での最高速度、ターニングおよびハンドリングが向上し、キャビテーションを大幅に低減します。
ゲート後方の水取り込み口は通常よりライズアップ(4mm高)させることにより、より多くの水をポンプへ送り込むことのできる設計となります。
レース目的はもちろん、フリーライディングにも最適です。
その他にも、それぞれのメーカーからアップグレード用の“インテークゲート”が販売されていますが、フレームの数や、ウィングデザイン、アンダーハルからの張り出し具合など、さまざまな形状があります。
この形状の違いは、水の抵抗や水面への食い付きのバランスなど、それぞれのメーカーで計算され作り上げられたものです。
ご自身のライディングに合わせてお選びください。